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凡庸な王子 アルスラーン
強国パルスを率いる国王・アンドラゴラス三世のひとり息子。剛勇な父とは対照的に、線が細く心優しい性格。ある意味、君主としてはまだまだ頼りないところも……。忠実な部下である騎士・ダリューンとともに、王国奪還を目指すなか、次第にたくましい表情を見せるようになる。
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戦士の中の戦士 ダリューン
パルスが誇る騎馬部隊で万騎長(マルズバーン)を務める。剣術の腕前は一流。アルスラーンのそばを片時も離れず、ともに行動することになる。実直な人柄だが、いざというときには思い切った行動に出ることもできる優れた才覚の持ち主。
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政戦ともに知略に長ける隠者 ナルサス
パルス国ダイラム地方の元領主。アンドラゴラス三世により宮廷書記官に抜擢されるも、その後、王の不興を買い、現在ではバシュル山に隠棲中。世捨て人同然の生活をしていたものの、懇願するアルスラーンに手を貸すこととなる。王たる者のあるべき姿に悩むアルスラーンの、よき教育係。
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ナルサスに仕える少年 エラム
もとはナルサスによって解放された、解放奴隷の子息。両親の遺言によりナルサスの侍童(レータク)となってからは、彼の身の回りの世話を一手に引き受ける。アルスラーンの誘いで山を下りたナルサスにも同行。弓の腕前もなかなかのもの。
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流浪の楽士 ギーヴ
美しい赤髪をたなびかせ、楽器を片手に美しい詩を歌う流浪人。周りの女性たちをうっとりさせるなど、なかなかの「色事師」。その一方で、武器の扱いにも慣れるなど、ひと筋縄ではいかないところも。飄々とした姿とは裏腹に、裏では計算を張り巡らせている策略家でもある。
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精霊を使役する女性神官 ファランギース
アルスラーン誕生にあわせて寄進された、ミスラ神殿に勤めるが、アトロパテネの戦いに際して、アルスラーンを守護するため神殿から派遣される。その姿は、女性関係が豊富なギーヴをひと目惚れさせるほど優美。また、見事な弓の腕前の披露するほか、水晶の笛の力で精霊たちを自在に使いこなす。
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ゾット族族長の娘 アルフリード
剣技、馬術、弓術を得意とする。頭もよく、情にもあついが、とにかくやたらと気が強い。絶体絶命の窮地から助けられたことでナルサスに惚れ込み、勝手に「妻」宣言をする。
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王子の静かなるパートナー アズライール
“告死天使”の名を持つ、万機長キシュワードの鷹。兄弟である“告命天使”スルーシとともに、主の代わりにアルスラーンを見守る、忠実な臣下。
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黒影号 シャブラング
またの名を“黒影号”という黒衣の騎士・ダリューンの愛馬。主の鎧と同じく、黒毛の駿馬。戦場のダリューンを支える臣下。その背をアルスラーンに許すことも。
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不敗の王 アンドラゴラス三世
第18代国王。つねに険しいその表情と鍛え上げられた肉体は、まさに強国パルスの姿をそのまま物語っているようだ。また自身も数々の武勲を挙げた勇猛な騎士として知られ、アトロパテネの戦いでも自ら軍を指揮。先代の国王・オスロエス七世は彼の実の兄だが、その政権委譲については暗い噂がついてまわる。
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妖艶なる王妃 タハミーネ
「関わった男性をことごとく不幸な境遇へと陥れる」とも噂される美女。もとはパルスと敵対関係にあったバダフシャーン公国の妃だったが、バダフシャーン併合に伴い、アンドラゴラス三世の妻となる。アルスラーンの実の母にあたるが、なぜか彼に対しては冷ややかな態度を崩さない。
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忠義を尽くす老将 ヴァフリーズ
アンドラゴラス三世の右腕で、またアルスラーンにとっては剣の師匠でもある大将軍(エーラーン)。パルス軍を取り仕切る立場にあるだけに、剣術の腕前は一流だ。小さな頃からアルスラーンの面倒を見ており、気弱な彼の今後を案じる。
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謹厳実直な万騎長 キシュワード
二つの剣を振るう姿から「双刀将軍」の呼び名を持つ、パルス国の万騎長。アルスラーンとは「スルーシ」「アズライール」の2羽の鷹を通じて、以前より親交を重ねている。
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自らの信念に生きる カーラーン
アンドラゴラス三世からの信頼も厚い、万騎長のひとり。知略に優れていることでも知られ、アトロパテネの戦いでは先遣隊として戦場の視察にあたる。王を見つめる視線には、どこか憂いが漂っているようだが……。
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クバード
パルス騎馬部隊の誇る万騎長のひとり。左目が一文字の傷で潰れている。
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シャプール
万騎長。性格は真面目で、何事にも筋を通す。
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愚昧なる国王 イノケンティス七世
イアルダボート教を国教とする、ルシタニアの国王。酒の代わりに砂糖水を愛飲しているせいか、でっぷりと太った外見。イアルダボート教の熱心な信者でもあり、彼の命で殺された異教徒の数は300万人とも言われている。政治についてはまったくの無関心で、弟のギスカールに一任している。
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有能なる王弟 ギスカール
イノケンティス七世の弟。無能な兄に代わって、ルシタニアの内政など一切を取り仕切る苦労人である。パルス遠征の際は計画立案を引き受けるなど、戦いを成功に導いた功労者のひとり。非常識な兄に振り回されているように見えながら、その一方で虎視眈々と国王の座を狙うなど、したたかな面も持つ。
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戦を煽動する大司祭 ボダン
ギョロリとした目つきが特徴の大司祭。「異教徒を地上から一掃すること」を旨とするルシタニアの国教・イアルダボート教を奉じ、貴重な書物の焚書、子供や女性の虐殺など、非道な行為も嬉々として行う。
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銀仮面卿 ヒルメス
銀色の仮面を被った男。ルシタニア軍と行動をともにし、アトロパテネの戦いではルシタニアを勝利に導く。ただし彼自身の目的は、ルシタニアの首脳部とは違うところにあるようだ。
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エトワール
ルシタニア軍に参加している騎士。子供の頃、パルスに捕虜として捉えられ、アルスラーンを人質にして大脱走劇を繰り広げた。ものすごく気が強い。イアルダボート教の熱心な信者であり、平等を重んじるが、異教徒に対しては容赦がない。
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サーム
パルスが誇る万騎長のひとりで、防御に優れる。アトロパテネの戦いにおいても、城塞の守りを任されていた。エクバターナ陥落時にヒルメスの投げた槍で重傷を負うも、一命を取りとめる。傷が癒えたのちは、素性を明かしたヒルメスに忠誠を誓う。
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ザンデ
カーラーンの息子。ヒルメスに忠誠を誓っている。性格は良くも悪くもまっすぐ。メイスの扱いに長ける。
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異国の王子 ラジェンドラ
東方の大国シンドゥラの第二王子。異母兄である第一王子のガーデーヴィと王位継承権争いの真っ最中で、功を焦ってパルスへと侵攻する。性格はずうずうしく軽薄で、かなりの利己主義者。だが、どこか憎めない愛嬌がある。
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シンドゥラの黒豹 ジャスワント
シンドゥラの兵士。性格はきわめて真面目。